京都悉皆屋

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伊勢型人間国宝の川端柄とは川端康成がノーベル賞を受賞した際に使用された柄です。

伊勢型小紋人間国宝の染師さんの苦労話をチョット書いてみます。

現在四代目の安江敏弘氏は島根県浜田市の出身で中学校を卒業されて同社に丁稚奉公として入社され15歳の安江少年は 朝3時半から桶洗いをはじめ 糊練り 色合わせと作業に追われて夜が更けるそんな毎日を過ごされておられました。

最初の4年間で糊練りと色合わせを習いその後 ようやく型付けの修業にはいります。

しかし型付けといっても本物の反物で出来るわけがなく 木綿の生地を反物の幅に切って それから職人さんから貰った破れた伊勢型紙に糊をおろして柄を繋ぐ練習をするのです。

繋ぎ終わると木綿と生地を板からめくって井戸水で洗い アイロンで乾かす。

ひたすらこの繰り返しです。

安江敏弘氏と同じ年に9人の少年が丁稚いりされ 1人前になったのは たった二人だったそうです。

本当に一つの事を成し遂げる事は並大抵な事ではありませんが  これからこのような染師さんが育つのでしょうか?

今日は 川端柄の小紋を写して見ました。

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川端康成さんがノーベル賞を受賞した記念に出版した本の表紙に使われた柄と言われる川端柄です。